量子もつれは何故生じるのか?
ひとつの回答の試み
「量子もつれは何故生じるのか?」という問いに、多くの物理学者が頭を悩ませてきました。そのようななか、わたしは「量子もつれとはそもそもどのような現象なのか?」という基本に立ち返ってわたしが考えている、ひとつのシンプルな仮説を年頭のご挨拶に代えてご紹介したいと思います。
「宇宙は無(0)から生じた」と考える宇宙物理学者は多くいます。わたしもこの立場に立って「量子もつれ」についての仮説を立ててみます。
これはとてもシンプルな図です。宇宙のどこかにある2つの量子(状態)は、0ポイントからホログラムとして投影された幻影と考えるのです。つまり、空間的に距離が離れているように見える2つの量子(状態)も実は0ポイントの幻影(ホログラム)として考えるのです。つまり2つの量子(状態)は、元々1つの0ポイントが《まるで鏡の像のように》対称的な(+)と(−)の2つに分かれることで具象化(ホログラム化、幻影化)されて観測可能になっていると考えるのです。
すなわち、ホログラムとして具象化されている宇宙も、実はそのひとつひとつの点が0ポイントに直結していると考えるのです。
つまり、0ポイント(1次元)が2次元化されて平面情報となり、これが宇宙の基本設計図になっているのです。そして、この2次元情報がホログラム化(多次元化)されて具体的に見えるホログラムとしての世界、宇宙が立ち現れている。これがホログラフィック宇宙論です。
わたしたちは、無(0)から立ち上がった広大に《見える》宇宙というホログラムのなかの一部として設定されて(生きて)おり、ホログラムとしてのわたしたちは、新たに脳という装置によってホログラムを創り出し、それを《現実》と錯覚して生きているということになります。
このような観点に立ったとき、精神分析、精神科の臨床において、診察室のなかで展開するホログラムには、治療者とクライエントの両者の脳が創り出しているホログラムの0ポイントが潜んでおり、両者の0ポイントが重なることで、量子もつれが生じて治療効果が生まれると考えるのです。
実際、多くのクライエントが短時間のうちに寛解、治癒に向かうことを経験してきました。そして、今年も、毎月おこなっているセミネールで、量子もつれ(量子テレポーテーションおよびスーパーデンス・コーディング)に基づく「量子論的精神分析」の実際についてお話ししてゆければと思っています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2025年 元旦 藤田博史拝